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そろそろあの件について書いておく。その3

こちらの続きです。

やっと電話が終わった。監督を焦らすつもりはないが、監督の顔から血の気が引いているのがわかった。

キャプテン倒れる

さっきの電話は一等航海士からだった。キャプテンが船の自室で倒れてしまい、救急車に乗って病院にきたところでかけてきたらしい。酒は無駄に強いので酔ってはいなかったけど、酔いがパッと覚めた。監督とタクシーを拾ってすぐに病院に行った。

自動心臓マッサージ機?

こういったものを初めて見たんだけど、正直もう2度と見たくない。それがこれ。

さっきまで一緒に仕事してたキャプテンは、こいつにガシガシされていた。一眼見て察した。もうこの命は助からないと…

心臓マッサージしている間は生きている?

んなバカなことあるかい。そう思っていた人生だったけど、医師から

ご家族の同意がないと蘇生術を止めることができません。どうしましょうか?

と…うーんと、もうガシガシされてるキャプテンの意識はおろか魂もすでにあそこにいないけど、とりあえずガシガシされているうちは死亡認定を出せない。日本もそうなのかな?しかし、誰かがこのガシガシを止めてあげないと気の毒すぎる。監督に船舶管理会社の人に電話して委任してもらえないか確認してもらった。家族は船舶管理会社と契約するときの契約書の中で何かこういったケースでも会社が代わりに決断したりしてもいいって書いてあるみたいで、監督頼むってことになったようだ。しかし、監督は実は若い。自分(当時35歳とかだったはず)より若い人だった。決断できないでいた。

俺が代わりにいうよ

とっさにいった言葉だった。自分でも何をいってるのかよく分からなくなっていた。

ミルコ

でも、誰かがあの機械を止めないといけないことは確かだった。

2011年3月17日、現地時間21:40頃、キャプテンは心筋梗塞による心臓発作で亡くなりました。現地で再会してから短い時間ではありましたが、殴り合い寸前の喧嘩までした仲でした。喪失感はまだありませんでした。

日付を見てお気づきになる方もいるかもしれませんが、自分は東日本大震災の時は台湾にいました。あの恐ろしい津波の動画をyoutubeで見てひっくり返ったのを思い出します。

で、もう少しだけ続くんじゃ

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Cloud Architect/Consultant @ Tokyo

えっ、そんなに良かった?
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難治性喘息・脊柱管狭窄症(椎間板ヘルニア)・便意と戦う技術系おっさん。技術系はQiitaとかに書いてます。 https://qiita.com/tokifuji

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